どのように就労移行支援を選べばいいのか?
このようなお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。様々な種類の就労移行支援のなかから、自分に合った事業所を探し出すのは簡単ではありません。
特に就職をサポートする実績に乏しい事業所に入所してしまうと
2年経過後は次の事業所を利用する事ができませんので注意が必要です。
(場合により延長申請が認められる場合がございます。)
https://jpdd.org/%e5%b0%b1%e5%8a%b4%e7%a7%bb%e8%a1%8c%e6%94%af%e6%8f%b4%e3%82%92%e5%88%a9%e7%94%a8%e3%81%a7%e3%81%8d%e3%82%8b%e3%81%ae%e3%81%af%e4%b8%80%e7%94%9f%e3%81%ab%e4%b8%80%e5%ba%a6%e3%81%a0%e3%81%91%e3%81%aa/
そこで今回は、大阪の梅田で社会福祉士・相談支援専門員として働いている僕が利用される方のケース別にご紹介させていただきます。
就労移行支援支援の選び方4つのポイント
こちらでは、入所にあたり必ず確認して欲しいポイントを挙げています。
慎重になりすぎて選ぶ事ができないのも考えものですが、せめて以下の5点は確認するようにしてください。
自分の障害や疾患に配慮してくれる事業所か?
就労移行支援事業所は身体障害・知的障害・精神障害・又は精神疾患や発達障害の診断が医師よりされている方にご利用いただけますが、
事業所もそれぞれ就職の支援を得意とする障害や疾患も異なります。
例えば、自閉症スペクトラムやADHDの支援を得意とする事業所が、身体障害である視覚障害や聴力の障害に対して就職支援を同じようにできるかというと難しいところです。
事業所によっては、普段実習を受けていれてくれる企業なども得手・不得手があるので必ず事業所側に自身が抱える障害や疾患について受け入れが可能か確認を取りましょう。
また、それぞれの特化している障害によって様々なカリキュラムが存在している場合があります。
精神であれば、メンタルプログラムや
発達障害であれば、それぞれの障害に合わせたトレーニングなどを行なっている事業所も存在しています。
自分が障害を抱えながらこれまで感じた悩みをクリアにしてくれるプログラムがあるかも確認してみましょう。
自分の学びたいカリキュラムはあるか?
事業所によって指導できるカリキュラムも様々です。
例えば、プログラミングやWebデザインなどのITスキルを中心に教えているところや簿記やCADオペレーターを教えているところなども異なります。
通おうとしている事業所に自分の学びたいカリキュラムは存在するか?
そして、学びたいカリキュラムがある場合
実際にどのような方が指導にあたっているかをしっかり確認する事は重要な要素の一つです。
しっかりとした実績を伴っているか?
学びたいカリキュラムがあったとしても次点で、そのカリキュラムに対して実際に就職者を輩出しているかが重要なポイントです。
現在では、就労移行支援向けに様々な学習カリキュラムを用意する企業が数多く存在します。
ですので、教えるハードルや下り様々なコンセプトを持つ事業所が増えましたが、
就職実績や就労支援のノウハウこそ就労移行支援に求められるものです。
大切な2年間を浪費しないためにも、しっかりとどのような企業へ就職を行なっているのか確認をとりましょう。
就職実績のほとんどがパート・アルバイトや非正規で占められていないか?
就労移行支援を利用して、就職した場合最も懸念されるところは賃金などの待遇面です。
例えば、某就労移行支援の上場企業の資料では就職者のおよそ5割がパート・アルバイト社員、3割が契約者であり
正社員雇用はわずか1割にも満たない9%となっております。
https://litalico.co.jp/news/11750
又、平均賃金では障害別に以下のような実態となっております。
知的障がい者の1ヵ月の平均賃金は、11万7千円
精神障がい者の1ヵ月の平均賃金は、12万5千円
身体障がい者の1ヵ月の平均賃金は、21万5千円
業界最大手の就労移行支援でもこのような待遇ですので、就職実績の公表だけでなく
就職後の待遇面までしっかりと確認してから、入所するように心がけましょう。
又、自身がオープン就職とクローズド就職のどちらか悩んでいる時
両方に対応している事業所かしっかり確認をとりましょう。
費用負担はどうなっているか?(交通費や昼食は?)
就労移行支援では利用料は前年度の収入に応じて、利用料が発生します。
しかし、それ以外の面でも交通費や昼食代、学習や就職に必要な出費もかなりかさみます。
学生が就職前にお金のかかるのと同じようにかかるわけです。
又、就労移行通所中は生活費をまかなう必要があるため、かかる費用を必要最小限に抑えたいところです。
事業所によっては交通費のサポートを行なっていたり、昼食を無料提供している事業所もあります。
様々なサポートを見比べてみたり
場合によっては、障害年金や生活保護の相談に乗ってくれるところを探すのも重要なポイントです。
https://jpdd.org/%e5%b0%b1%e5%8a%b4%e7%a7%bb%e8%a1%8c%e6%94%af%e6%8f%b4%e5%88%a9%e7%94%a8%e4%b8%ad%e3%81%ae%e7%94%9f%e6%b4%bb%e8%b2%bb%e3%81%af%e3%81%a9%e3%81%86%e3%81%99%e3%82%8b%ef%bc%9f-%e3%81%8a%e9%87%91%e3%81%8c/
他の考慮するポイント
大手か中小の就労移行事業所のどちらがおすすめ?
就労移行支援事業所には全国に展開している事業所と府内で展開している事業所の2つのパターンがあります。
大手(上場企業)を選ぶなら、航空会社をはじめとした大企業にも行けるチャンスがありますが、本社が東京の場合も多いため、その地域での就職情報がどのような実績があるかしっかり確認しましょう。
中小を選ぶなら、当たり外れが多いのは事実ですが中にはしっかりとした地元の大手企業と連携を取れている事業所もあります。
開業歴や就職実績を参考に考慮してみましょう
今回ご紹介する事業所では、大阪だけで活動している事業所と全国展開する事業両方を紹介しています。
就労移行支援で大阪のおすすめ事業所10選
以上の選ぶ際の4つのポイントを意識しながら
- 障害への配慮
- 学べるスキル
- 就職実績
- 交通費や昼食などの費用面
に基づいて、各事業所のポイントについて大阪の就労移行支援をおすすめさせて頂きます。
就労移行支援リタリコワークス
身体 知的 精神 発達
事業所の場所 | 梅田・心斎橋・天王寺・枚方・堺東・高槻 |
対象としている障害 | 全て対応 |
就職実績の公表ページ | リタリコの就職実績ページ
就職者数と業種、企業名などを紹介 |
学べるスキル | 全てに対応 |
交通費・昼食などの補助 | 特になし |
就労移行支援ウェルビー
身体 知的 精神 発達
就労移行支援ウェルビーはリタリコにつぐ業界2位の就労移行支援です。こちらも上場企業となっております。業界2位として最近では就労移行支援として最近では、新しく障害雇用に悩む企業向けのサービスやサプリメントの販売事業などの新しい試みもはじめております。
https://www.welbe-link.co.jp/
最近のウェルビーは就労移行支援だけでなく、まだ就労移行支援が難しい方に向けて生活スキル・社会スキルを専門として学ぶウェルビーチャレンジという自立訓練のサービスを開始しております。
現時点では就労移行支援が難しい方は一度検討してみてはいかがでしょうか?
事業所の場所 | 梅田・天王寺・新大阪・淡路 |
対象としている障害 | 全て対応 |
就職実績の公表ページ | ウェルビーの就職実績ページ
障害別に就職した方の声を紹介 |
学べるスキル | 全てに対応 |
交通費・昼食などの補助 | 特になし |
就労移行支援WithYou
精神 発達
精神疾患に特化した就労移行支援事業所です。この事業所の特徴はやはり精神疾患に特化している事でしょう。精神疾患に向けた様々なメンタルプログラムやトレーニングが数多くあります。
創業のスタートとしても就労移行支援の支援者と支援される側が共同で創業しただけあって、利用者側の立場に立った様々なサポート充実が魅力的です。
様々な有名な講師陣から専門スキルについて学ぶ事ができ、実際の就職先については企業名を全てオープンに公開しています。
また、公務員への就職者が非常に多いのもこの事業所の魅力の一つでしょう。
WithYouの支援内容で特徴的なのは人間的な暖かさを感じるところでしょう。
サポートは全て個別指導で頻繁に更新されるブログでは支援者に人間的な暖かさを感じます。
また、交通費の全額支給や昼食のサポートなど利用者の負担を一切なくす支援にも力を入れています。
事業所の場所 | 梅田・堺筋本町・大阪・本町 |
対象としている障害 | 精神疾患・発達障害 |
就職実績の公表ページ |
就職した企業名を業種別に公表 |
学べるスキル | IT・Webデザイン・簿記・事務・公務員 |
交通費・昼食などの補助 | 交通費の全額支給・昼食の補助 |
就労移行支援Kaien
発達
就労移行支援Kaienは、発達障害・グレーゾーンに特化し様々な独自の取り組みを行なっております。発達障害を持つ学生向けの就活支援「ガクプロ」や発達障害の家族を持つ方に向けた「Kaienペアトレ」など発達障害に完全に特化した取り組みを行なっております。
また、毎日の訓練で、自分の特性を深く知る事と足りないライフスキルに重点を当てます。
結果、自分の強み弱みを徹底的に知り苦手への対処法を学んでいきます。
Kaienでは、発達障害専門の求人サイト「マイナーリーグ」を運営しております。
発達障害で悩む方の個性を最大限を活かす機能して、PCスキルなどをスコア化して企業に送信できる独自機能や支援からの推薦状機能など発達障害の採用独自の機能を持つ求人サイトです。
https://www.kaien-lab.com/job/mlgfi/
事業所の場所 | 福島・天六 |
対象としている障害 | 発達障害・グレーゾゾーン |
就職実績の公表ページ |
公開なし ホームページにて就職数のみ公開 |
学べるスキル | 指定なし・クリエイティブコースを併設 |
交通費・昼食などの補助 | 特になし |
就労移行支援CONNECT
身体 知的 精神 発達
就労移行支援CONNECTでは、就職実習からの就職に強みを持つ事業所です。
特に企業の特例子会社(障害を持つ方のみで構成された子会社)への実習を通じて面接なしでの就職を推奨しております。
雇用前提実習といって、特例子会社などが行う雇用を前提とする実習からの就職に強みを持ちます。
事業所の場所 | 新大阪・豊中・天王寺・梅田 |
対象としている障害 | 全てに対応 |
就職実績の公表ページ |
特例子会社に就職した企業名と就職者の声を掲載 |
学べるスキル | 指定なし |
交通費・昼食などの補助 | 特になし |
就労移行支援アクセスジョブ
身体 知的 精神 発達
事業所の場所 | 四ツ橋・南森町 |
対象としている障害 | 全てに対応 |
就職実績の公表ページ |
公表はなし ホームページにて、就職者数を公表 |
学べるスキル | 指定なし |
交通費・昼食などの補助 | 昼食を提供 |
就労移行支援エンカレッジ
事業所の場所 | 本町・心斎橋・天満橋 |
対象としている障害 | 発達障害 |
就職実績の公表ページ |
就職者数と就職企業を公表 |
学べるスキル | 指定なし |
交通費・昼食などの補助 | 昼食を提供 |
就労移行支援ディーキャリア
発達
発達障害に特化した就労移行支援ディーキャリアでは、利用する方が重視する価値観に合わせたコースが充実しております。
「いきやすさ」を重視しているライフスキルコースで「自己理解」を深めながら就職を目指したり、リクルートコースでは「働き続ける」を重視し、これまで仕事があまり続かなかった方に向けて重点的にサポートを行います。
ディーキャリアでは、就労移行支援卒業後の平均給与を公表しております(19万1000円)
これは通常の発達障害の平均給与12万7000円の1.5倍の数値となります。高い低いかは別にして、このように具体的な数値を公表しているのは目的が高まります。
また現在は関東エリアのみ対応となっておりますが、ディーキャリア専門の求人サイト「ディーキャリアジョブ」など今後、関西エリアに拡張されれば期待できる試みです。
事業所の場所 | 天王寺・なんば・京橋・梅田・高槻 |
対象としている障害 | 発達障害 |
就職実績の公表ページ | 就職者数と平均給与をトップページにて記載 |
学べるスキル | 指定なし |
交通費・昼食などの補助 | 特になし |
就労移行支援にこにこワークス
身体 知的 精神 発達
就労移行支援にこにこワークスは、元々社会保険労務士事務所渡辺事務所が母体となっている事業所です。そのため、関与先企業の多さを強みとしてうたっている事業所です。
事業所の場所 | 本町 |
対象としている障害 | 全てに対応 |
就職実績の公表ページ | 前年度就職者数10名 |
学べるスキル | 指定なし |
交通費・昼食などの補助 | 昼食支給 |
就労移行支援未来のかたち
身体 知的 精神 発達
就労移行支援未来のかたちは完全にITに特化した就労移行支援です。
在籍するスタッフはほとんどがプログラマーであり、カリキュラムに関してIT分野全般の様々な言語のプログラミングが学べます。主にメインカリキュラムとして、「JAVA」「PHP」「HTML・CSS」を学ぶ事ができます
事業所の場所 | 本町 |
対象としている障害 | 全てに対応 |
就職実績の公表ページ | 前年度就職者数8名 |
学べるスキル | IT |
交通費・昼食などの補助 | 特になし |
就労移行支援事業所見学の際に確認したいポイント
事業所への入所を考える前に事業所見学を行う場合がほとんどかと思います。
そこで事業所見学の際の特に注目したいポイントについてご説明いたします。
事業所の利用者の雰囲気。本気の人たちが集まっているか?
事業所によっては就職する気のない遊びに来ているような雰囲気の事業所もあります。
確かに自由にできる事業所は楽ではありますが、就労移行支援は2年で結果を出さなくてはなりません。
モチベーションを高めるためにも、本当に高め合える仲間のいる事業所を選びましょう。
2年を超えてしまった場合の記事はこちら
https://jpdd.org/%e5%b0%b1%e5%8a%b4%e7%a7%bb%e8%a1%8c%e6%94%af%e6%8f%b4%e3%81%af2%e5%b9%b4%e3%81%be%e3%81%a7%e3%81%a3%e3%81%a6%e6%9c%ac%e5%bd%93%ef%bc%9f3%e5%b9%b4%e4%bb%a5%e4%b8%8a%e3%81%ab%e5%bb%b6%e6%9c%9f%e3%81%af/
自分の障害上の悩みを伝えて、これまでの支援の実績を聞こう
ほとんどの事業所で説明会の面談時に、障害などについて聞かれる事がほとんどかと思います。
その際に、その事業所に自分と同じような障害や悩みの支援実績を聞くと良いでしょう。
そして、その方が実際に就職できたか?また今も定着できているのかなども含めて尋ねると良いでしょう。
合わせて、障害に特化したプログラムなどもあれば尚良いでしょう。
担当者に就職実績について詳しく聞こう
就労移行支援の就職実績では、就職件数だけを公表しているところがほとんどです。
また、就職実績自体を公表していない事業所も。
事業所の中には就職実績がそもそもなかったり自施設内のA型事業所への就職をカウントしているところなどもあります。
まずは、しっかりとどのような会社や業種に就職しているか?などの企業名や
就職時に正社員として就職できているか?
専門スキル特化型であれば、そのスキルの業種にしっかりと就職できているか?
企業名なども合わせて尋ねましょう。
通っている期間の生活費は大丈夫か?
就労移行支援に通所している期間は実質的に無収入の状態になります。
アルバイトでも原則禁止ですが、事業所によっては市町村との交渉がうまい事業所もあります。
事前に問い合わせておきましょう。
https://jpdd.org/%e5%b0%b1%e5%8a%b4%e7%a7%bb%e8%a1%8c%e6%94%af%e6%8f%b4%e3%81%af2%e5%b9%b4%e3%81%be%e3%81%a7%e3%81%a3%e3%81%a6%e6%9c%ac%e5%bd%93%ef%bc%9f3%e5%b9%b4%e4%bb%a5%e4%b8%8a%e3%81%ab%e5%bb%b6%e6%9c%9f%e3%81%af/
まとめ
就労移行支援はうまく活用する事ができれば、人生の変わるきっかけにもなる素晴らしい福祉制度です。
しかし、選び方を一つ間違えると意味のない無駄二年間を浪費する事にも繋がります。
しっかりと自分に合った就労移行支援を選び、これからの人生の糧にしてください。